見えてるはずなのに見えないもの(今回はギャップの話)

バスケトーク

【見えてるはずなのに見えないもの】

 

すごく詩的なタイトルですが、今回はガッツリとバスケの内容です。

 

バスケに限らずオープンスキル系のスポーツは「見る」ことが必須になります。もちろん見るだけでなく正確に判断してミスなく実行する必要がありますが、まずはとにかく見ること。

 

今回のタイトル通り、見てるはずなのに見えてない。だからミスに繋がるプレーがあります。これはU15に限った話ではなく、プロでも十分ありえます。見ることでコートの中の情報を収集する。これが一流と超一流を分けるポイントです。

 

では具体的に何が見えなくてミスになるのか。いろんなケースがありますが、今回は501stの現状の課題である「ギャップ」についての話になります。

ギャップというのは以下の画像の通りです。

501stではドリブルドライブモーション(DDM)をOFの一つとして採用していますが、DDMのために「ギャップ」を作ることからOFが始まります。

「ギャップ」をものすごく簡単に言うと、隣のプレイヤーとの隙間のことです。シングルギャップはちょっと狭い、ダブルギャップは広い。ちなみにスペシャルギャップと言うのもあって、そこはもうアタックしないやつは人権無しみたいな感じです。

 

Single vs. Double Gap Basketball Offensive Spacing Concept

↑参考動画。501stのプレイヤー向けにも使ってます。

 

 

映像で見たり、コートの外で見る分には「あそこ広いじゃん、ダブルギャップだ。ドライブできそう」とか「そこは狭いな、シングルギャップか。行けないかな」ってわかりやすいです。

でも実際にコートに立っているプレイヤーは目まぐるしく展開が変わる中、ボールだけでなく自分の味方やDFも見ないとなりません。しっかりと落ち着いていればコートの中でもギャップに気づけるとは思いますが、実際は気づけないこともしばしば。

 

ボールや味方、相手チームは実際にコートに「あるもの」なので意識しやすく見やすい。でもギャップは形としてあるわけではなく、目に入ってるけど認識しづらいものです。

 

その見えないものをどうやって認識するか。一番は知識と経験を身につけることですが、こればかりはすぐになんとかなるものではないです。

知識と経験を補助するためのツールとして、501stは「ある程度のチームルール」を設けることでギャップを認知しやすくしています。「この時はこうしよう、だから次はここにギャップが空く」といったチームとしての共通認識があるから、見づらいものを見やすくできると考えています。

 

ある程度のチームルールがあるOFをモーションOFと呼びますが、まさにこれです。ある程度のチームルールから個人が最適解を導き出す。個人レベルからチームレベルへ昇華するためのファーストステップかもしれません。

それに対して、

ガッチガチにやることが決まった上で選択肢を消去法的に実行していくのが「セットOF」。

チームルールは一切なく全てが個人の判断と能力に依存するのが「フリーランスOF」。

 

どれが良いとか悪いとかの話ではなく、501stとしては「スペースの理解」「DFとのズレとパスコースの認知」が大事と考え、そのためにはモーションOFが最適としています。

 

 

見えないものをいくら見ろ!といっても難しいです。でも見ないとOFが上手くいかない。あの手この手で成功させる必要がありますが、その手段の一つとしてチームで協力する。ありふれた一般論ですが、協力するためにお互いが何をするのかっていう相互理解。

あ、あいつはこれを望んでるんだな、それならこうしてあげたらあいつは助かるかもしれない。こういうのってバスケだけじゃなく普段の生活にも直結しますよね。だからスポーツ選手って人間性が大事って言われるんだと思います。

 

見えないものを見えるようにするには「気遣い」。ちょっと話が飛躍した感もありますが、人間としての成長が大事、そんな話でした。

 

 

ついでにもう一つ。体が成長するに従って速さや強さも成長します。身体的な成長って意識しなくても勝手にします。でも人間性って意識しないと成長できません。

バスケも同じ、速くなった、強くなったからバスケのレベルが上がったと勘違いしてませんか?見えないものに気づく、味方はこれを望んでる、こうしたら上手くいく。こういうプレーができることがバスケの成長です。

 

501stはそういった人間性とバスケの成長ができるチームでありたいと願っています!

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