認知・判断・実行という考え方

バスケトーク
【認知・判断・実行という考え方】
 

あちこちバスケの勉強にいってますが、エルトラックさんのクリニックにもよくお邪魔しています。

 

昨年、エルトラック代表である鈴木氏監修の「バスケの教科書」が出版されました。

4巻まで出版されていますが、指導の道筋をはっきりと定義されていてとても興味深い内容です。

 

今回はその中の一節、「認知・判断・実行」について少し考えを述べてみようかと思います。

 

 

指導者として活動を開始した頃、プレイヤーに対して指導する内容はシュート、パス、ドリブルといった「テクニック」でした(テクニックとスキルの違いは後述)。

何度も練習を繰り返し、「テクニック」としては上手くなったものの、試合になるとミスの繰り返し。なぜ試合だとミスになる?自問自答を繰り返していく中、プレイヤーが「見ていない」「判断が正しくない」という事に徐々に気づき始めました。


バスケは対戦相手が同じコートで入り乱れてプレーする競技、決まった動きだけを繰り返すだけでは絶対に上手くいきません。


状況を「見る」ことで、状況に応じた正解を「判断」し、得点に繋げる競技です。

 
「見る」ことをせず、判断を伴わないプレーは「テクニック」に過ぎません。しかし状況に応じて使い分ける事で「スキル」へ昇華します。


「テクニック」という概念に「認知・判断・実行」を加えたものは「スキル」だと解釈しています。

 

元アメリカ国空軍大佐「ジョン・ボイド」氏が考案したOODAが元ネタ?と思っていますが、この認知・判断が、指導者がプレイヤー育成に当たり最も必要とエルトラック鈴木代表も謳っており、激しく同意します。

 

実行、すなわちシュートやパス、ドリブル等のスキルです。

ですが先ほどの「認知・判断・実行」が伴わないとただのテクニック止まりです。

 

自分のマークマンや味方の位置、ヘルプディフェンスの目線や残り時間、相手の弱いところ。次の自分のプレーをしたら相手は、味方は、どう動くのか。なるべく多くの情報を認知し、都度都度正しい判断を行い、練習を重ねたスキルで得点へ繋ぐ。
 

練習にどれだけ多くの認知・判断を盛り込めるかが最大の課題です

 

実行のみの練習が無駄とは言いません。でも限られた時間で最大限の効果を上げるため、プレイヤー自身で選択する力を付けるために、どれだけ練習を作り込めるか。指導者の腕の見せ所です。

 

しかし認知・判断の習得は時間がかかる。だから勝ちが優先されるチームでは、逆に認知・判断を少なくさせる傾向があります。
プレイヤーに対して何を目標設定するか。バスケ界全体の大きな課題ですが、501stはブレることなく、プレイヤー個人の成長を促していきます。

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